高齢出産における「ハイリスク妊娠」とはどんなもの?
妊娠した女性は誰しも安全に元気な赤ちゃんを産みたいと願うものです。しかし、妊婦さんや胎児の状態によっては、妊娠中や出産時に大きなリスクが予想されるケースもあります。
そして、高齢出産の場合はとくにリスクが生じやすいといわれています。
そこで今回は、
・ハイリスク妊娠とはどんな状態?
・ハイリスク妊娠だとどんなリスクが生じるの?
・ハイリスク妊娠だと診断されたら?
といった方に、ハイリスク妊娠について詳しくご説明します。
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この記事の目次
高齢出産とハイリスク妊娠
昔は妊娠・出産は病気ではないと考えられており、おばあちゃんの中には今でもその考えが根付いている人もいます。その風潮からか、妊娠検診が前期と後期、そして出産前の3回だけという時代もありました。
しかしその後、周産期医療の研究が進歩するにつれて、厚生労働省の勧めによって1ヶ月に1~4回、合計15回ほどの妊娠検診が一般的になりました。そして一定の年齢を超えた女性の初産には危険が伴う場合が多々あるとして、「高齢出産」と区別するようになったのです。
かつては20代まででの妊娠・出産が多かったのですが、女性が社会で活躍できるようになった近年では晩婚化が進んだこともあり、高齢出産と呼ばれる年齢で出産する高齢初産婦が増えてきました。
しかし妊娠・出産に対する医療技術面も昔とは比べものにならないほど進歩しているため、高齢出産であっても一昔前のように母子ともに危険な状態に陥るといったことは激減しています。
高齢初産婦には、考えられるリスクを早い段階で改善するよう指導がなされ、合併症や妊娠高血圧症候群といった起こりがちな症状を避けるための指導や管理体制もできています。
高齢ママが定期的に妊娠検診を受診して、担当医師のサポートを受けている限りは、安全に元気な赤ちゃんを産めるように万全を尽くしてもらえるのです。
とはいえ、高齢出産といわれる35歳以上の妊娠・出産には多少のリスクがつきものというのは否定できない事実です。
多少なりともリスクがあることを認識したうえで、ハイリスクにならないよう、リスクが少しでも軽減されるように努めていきましょう。そのためには、リスクの正体を見極めて担当医師とともに改善していくことが大事です。
ハイリスク妊娠とは?
「ハイリスク妊娠」とは、妊娠を継続して出産することによって、妊婦や胎児が病気になったり死亡したりする可能性が高いもの、つまり、妊婦や胎児のどちらかまたは双方に高いリスクが予測される妊娠のこといいます。
たとえば、持病をもっている妊婦が妊娠・出産をすることによって、持病が悪化したり合併症を引き起こしたり、お腹の赤ちゃんに異常が見つかって出産するときに命の危険にさらされたり、病気や障害をもつ可能性があったり、そういうケースが予想される場合などにハイリスク妊娠との診断がでます。
ハイリスク妊娠になってしまうのにはさまざまな要因があり、これが原因でハイリスク妊娠になりますと医師からはっきり伝えられることはあまりありません。
ですが、「体重が増えすぎないように注意しましょう」「食生活を見直して大事にしましょう」など、具体的な指示があったときには、ハイリスク妊娠にならないため、または改善するために必要なことだと認識して心して守るようにしましょう。
ハイリスク妊娠になる要因とは?
では、実際にハイリスク妊娠と診断される要因についてみていきましょう。
初産が35歳以上の高齢出産である場合の妊娠
高齢出産のリスクはすでにご存知でしょうが、染色体異常や妊娠高血圧症候群、胎盤が異常に早く剥がれてしまう常位早期胎盤剥離や前置胎盤などを引き起こすことがあります。
また、分娩時に合併症を起こしたり難産になる可能性も高くなってきます。
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妊婦さんが150cm未満の低身長である
母体が150㎝以下、とくに145㎝以下の低身長でもハイリスク妊娠の要因になり得ます。というのも、ママの体があまりに小さいと骨盤も狭いことが多いからです。
狭い骨盤では、赤ちゃんの頭が通れない「児頭骨盤不均衡」や「肩甲難産」になることもあり、帝王切開での出産になる確率が高くなってしまいます。早産や胎児の発育不全が起きる可能性もあがってきます。
肥満(BMI25以上)または体重が約45kg未満の妊婦さん
ママの体重も重要です。肥満のママは赤ちゃんが巨大児になるリスク、体重が約45kg未満のママは赤ちゃんが低体重になるリスクが高くなるといわれており、どちらの場合でも難産になることが多くなります。
また肥満の場合は、妊娠糖尿病・妊娠高血圧・子癇前症が発生する可能性も上がります。
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持病をもっている妊婦さん
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)や慢性腎疾患を持っているママは、妊娠高血圧症候群や子宮内胎児発育不全になるリスクが高くなります。
また、心臓病や糖尿病、腎臓病や自己免疫疾患などの基礎疾患を抱えているママも要注意です。とくに心疾患があるママの場合は、ママの体自体に命の危険性が及ぶことも考えられます。
子宮筋腫または子宮腟部の手術経験がある妊婦さん
流産や早産になることがあり、胎児発育障害、分娩進行の障害の原因となることもあります。赤ちゃんが産まれてくるのに影響を与えると判断された場合は帝王切開となります。
以前の妊娠・出産に問題があった妊婦さん
過去に2回以上の流産を経験しているママは、染色体異常や子宮奇形になるリスクがあり、子宮筋腫ができている可能性があります。
また、以前に巨大児を産んだことがあるママや難産を経験したママ、帝王切開で出産したママも注意が必要です。
羊水の量が多すぎる、または少なすぎる
妊娠中、子宮内の羊水の量が800mlを超える状態を「羊水過多」といい、ママに自覚症状があることを「羊水過多症」といいます。
逆に羊水量が100mlを下回っている極端に少ない状態を「羊水過少」といい、子宮やお腹が小さいなどの症状があらわれている場合は「羊水過少症」と診断されます。
羊水過多になると子宮全体の重みが増えるため、急な破水が起きたり早産になるリスクが高まります。羊水過多症の場合、多胎・胎児奇形・胎児性浮腫などの障害が残るリスクもあります。
羊水過少は、おなかの赤ちゃんに胎児機能不全や発育の阻害といった直接的な悪影響をもたらすことがあり、それによって胎児発育不全や先天性奇形を起こすリスクが高まってきます。
飲酒、喫煙の習慣がある妊婦さん
妊婦さんにはNGといわれているのが、喫煙や過度のアルコール摂取や薬物常用です。タバコに関しては副流煙のほうが危険ともいわれていますので、喫煙者の近くに行かないぐらいの用心が必要です。
そしてこれらがハイリスク妊娠につながるのは当然のことで、胎児が発育不全や先天性奇形になるリスクが高くなります。
参考記事
>>喫煙は高齢出産のリスクUP?!タバコの悪影響について知ろう
妊娠がわかってから現在に至るまでの経緯
排卵誘発剤の注射を使用したか、体外受精での妊娠かどうか、双子などの多胎妊娠か、長期不妊治療による妊娠か、梅毒・淋病・外陰ヘルペス・クラミジアなどの性感染症はないか、赤ちゃんの染色体に異常はないかなど、総合的にみてハイリスク妊娠かどうかの判断をします。
ハイリスク妊娠と診断されてしまった時は
高齢出産でやっと赤ちゃんを授かったのに、ハイリスク妊娠だと医師に診断されてしまったと、大きなショックを受けて不安で不安でたまらなくなるかもしれません。
たしかにハイリスク妊娠とは、一般的な妊娠から比べればリスクが高いものです。ですが、どんな妊娠でもリスクが0ではありません。若いママならば全くリスク無く妊娠・出産できるというわけではないのです。
またリスクにも、意識を変えることで改善される程度のものもあれば、こまめに医師の診察を受けてケアを受ける必要があるリスクまでいろいろあります。
まずあなた自身のリスクが何なのかを知って、改善策を理解し実行することが重要になります。
ハイリスク妊娠の場合は、担当医師も心構えをしてくれて何かあればすぐに対処できるよう配慮してくれます。あまり心配しすぎないで、安心して妊娠生活を楽しんでください。
「妊娠リスクスコア」でセルフチェックしてみましょう
高齢出産の場合はどうしても自分の妊娠・出産に対してのリスク度合いが気になりますね。
厚生労働省研究班が、2005年4月に試案として「妊娠リスクスコア」を作成しています。
この「妊娠リスクスコア」には、妊娠がわかった初期の段階でチェックする「初期 妊娠リスクスコア」と、妊娠20週~36週の段階でチェックする「後半期 妊娠リスクスコア」の2種類があります。ちなみに後半期の方には赤ちゃんのリスク度も含まれています。
そして、妊娠初期と後半期にそれぞれチェックして、その合計があなたの「分娩前の妊娠リスクスコア」となるのです。
妊娠リスクスコアは、点数によって「高リスクグループ」「中リスクグループ」「低リスクグループ」の3つに分けられます。
ハイリスクかローリスクかによって、かかるべき病院も違ってきます。「初期 妊娠リスクスコア」が18問、「後半期 妊娠リスクスコア」が11問とどちらも簡単なチェックですぐに結果が出ますので、高齢ママは是非一度セルフチェックを行ってみてください。
ハイリスク出産は周産期母子医療センターで安全に
ハイリスク妊娠の高齢ママには、ハイリスク出産に対応できる大きな病院の出産がすすめられます。いわゆる「総合周産期母子医療センター」「地域周産期母子医療センター」などのセンター指定を受けているところです。
出産が近づいてきた妊娠22週~生後満7日未満を「周産期」といいますが、この周産期はママと赤ちゃんのどちらにも突発的なトラブルが起きやすい時期だとされています。
ましてハイリスク妊娠・ハイリスク出産ならば、母子ともに生命にかかわるような緊急事態が起こっても不思議ではないのです。
そのため、ハイリスク妊娠と診断されやすい高齢出産の場合は、周産期の医療に特化した総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターを勧められることが多いのです。
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周産期母子医療センターで出産する利点は?
まず、周産期母子医療センターにはあらゆる緊急事態に対応できる設備があり、高度な医療が受けられることです。どんなトラブルにも24時間体制で対応できる、産科と小児科の総合的な医療体制を備えています。
総合周産期医療センターには、MFICUといわれる母体と胎児の集中治療室や、NICUといわれる新生児の集中治療室があり、高度な技術と医療が求められるハイリスク出産に対応しています。
地域周産期母子医療センターは、産科と小児科の連携によって比較的高度な周産期医療を施すことができる病院です。
なお、母体と胎児の集中的な治療を行うためのMFICUは、設置率の地域差が大きいといった課題はあるものの、地域周産期母子医療センターを含めた全国に設置されるよう推進されています。
ハイリスク妊娠・出産に向けて準備しておくこと
では、ハイリスク妊娠・出産において自分ができることについて見ていきましょう。
自分のリスクを理解して心の準備をする
高齢出産だからといって必ずしもハイリスクだとは限りません。人によっては中リスクや低リスクということもあり得るのです。
まずは産婦人科の専門医に診察を受けて、自分のリスク度合いを知りましょう。そして何がリスク要因なのかを理解して、妊娠・出産に向けてなにに気をつければいいのか、リスクを減らすためにはどのような対処を行えばいいのかなど、正しい知識を身につけて実行していきましょう。
出産する病院を早めに決める
高齢や他の要因からハイリスク妊娠と診断された場合は、個人病院や助産院での出産はまず無理だと思ってください。MFICUやNICUが備えられている、周産期母子医療センター指定を受けている病院で出産する必要があるからです。
転院しなければならない場合は、なるべく早く紹介状を書いてもらって、早急にハイリスク妊娠・ハイリスク出産に対応できる病院を受診しましょう。
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入院準備も早めにしておく
ハイリスク妊娠の要因によっては、入院して安静にすることでリスクを少しでも減らせる場合もあるため、妊娠週数に関係なくすぐに入院させられることもあります。
いざ「明日から入院してください」と言われても慌てずにすむよう、妊娠初期から入院の準備はしておきましょう。
また、上の子がいる場合は、ママの入院中は子どもをどうするのか事前に話し合っておく必要があります。そして、あらかじめ急に入院することもあるということを理解してもらいましょう。
まだ小さいお子さんならば、パパや両親などにお願いしておきましょうね。
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