クラインフェルター症候群とは?高齢出産との関係について

クラインフェルター症候群とは?高齢出産との関係について

卵子は加齢とともに老化していきます。これにより、受精卵の染色体異常のリスクが高まり、生まれてくる赤ちゃんにダウン症候群などの染色体異常が発生することがあります。

そして、女性の社会進出に伴い高齢出産者が増えつつある中で、医療の現場も進歩してきており、赤ちゃんの染色体異常を、お母さんのお腹の中にいながら検査することができるようになりました。

これが、いわゆる出生前診断です。高齢出産のお母さんの中には出産前に心の準備として検査を受ける方もいれば、障害があっても無くても関係なく元気に赤ちゃんを産むことだけを考え検査を受けないお母さんも多くいらっしゃるようで、その考え方はさまざまです。

もし、生まれてくる赤ちゃんの染色体に異常があった場合、どのような症状があるのでしょうか。そしてそれはどういった原因で起こるのでしょう。

そこで今回は、染色体異常の疾患である「クラインフェルター症候群」についてお伝えします。

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染色体とは何か?

そもそも、染色体とは何でしょうか。人は22本の染色体を2本ずつと、性染色体2本の計46個を持って生まれてきます。

高齢出産では卵子の老朽化による染色体異常が起こり、46個ある染色体が「一本多いか、少ないか」で赤ちゃんに異常があるかどうか判断されます。そして、染色体異常はタバコやお酒などの外部からの悪影響が原因ではなく、先天的な異常です。

高齢出産の場合に多いとされる赤ちゃんの染色体異常ですが、全ての高齢出産者に当てはまるわけではありません。

高齢出産であっても、染色体の異常が起こらない方はたくさんいらっしゃいます。今からお伝えする、クラインフェルター症候群はそんな染色体異常の疾患の一つです。

クラインフェルター症候群とは何か?

高齢出産の場合で生まれる赤ちゃんの染色体異常として「クラインフェルター症候群」というものがあります。これは、男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる疾患の総称です。

人間の染色体は、23対のペアからなっております。22対のペアは「常染色体」と呼ばれ、残り1対のペアは「性染色体」と呼ばれます。「Y染色体」は父親(男性)から受け継がれるもので、性染色体が「XX」だと女性、「XY」だと男性になります。

当初指摘されていた染色体異常は「47・XXY(健常男性は46・XY)」ですが、現在では、2個以上のX染色体と1個以上のY染色体が存在する性染色体異常として定義されています。

つまり、染色体を大きさ順に並べて表示した核型としては、

・「47・XXY」
・「46・XX」/「47・XXY」のモザイク
・「48・XXXY」
・「49・XXXXY」

このような核型もありえることになります。複数のX染色体と単数のY染色体で構成され、「X染色体が通常より多いXYのヒト」ということになるので、医学的には全員男性が生まれます

生まれる赤ちゃんの染色体が、ここに記載したような染色体の組み合わせであれば、「クラインフェルター症候群」である、ということです。

クラインフェルター症候群の80〜90%は、核型「47・XXY」を示し、その他の核型は、型の下位に位置する分類群である「亜型」とされています。

約500人から1000人に一人の割合で、男の子に起こる染色体異常の疾患で、現在、クラインフェルター症候群の男性は、約62000人いるとされています。

その原因は何か?

クラインフェルター症候群がなぜ起こるのか、その原因については、X染色体の数的、構造的異常が原因であると考えられています。

過剰に生じたX染色体が原因であり、その過剰に生じたX染色体の由来は、お父さんとお母さん両方の遺伝子が関連していると考えられています。

そして、高齢出産がその一因とされていますが、詳しいことはまだわかっていません。発症に至るメカニズムについては不明な部分が多いのです。

クラインフェルター症候群の外見的な特徴

クラインフェルター症候群は、比較的多く見られる染色体の異常です。この疾患があると、外見的にもさまざまな特徴が見受けられます。

学習への影響

知能は正常かやや低めです。多くの場合で発語と言語、解読障害があり、一人で計画を立てることが困難です。特に幼児期の言語については発育遅延、発音も不明瞭である場合が多いです。

体格の変化

クラインフェルター症候群の体系の特徴として、第二次性徴までは一般の男児とさほど変わらないですが、第二次性徴くらいになると胴体の成長はとまり、首・手・足などが成長するため、きゃしゃで手足の長いヒョロっとした細身の体形になる人が多いです。

しかし、身体的特徴はかなり振り幅があるため、背が高く腕が長い以外は正常であることがほとんどです。

男性的第二次性徴の欠如

クラインフェルター症候群では、成人しても少年や児童的、きゃしゃな体格、声変わりしない、筋肉が付きにくく運動能力が低い、体毛が薄い、または髭やすね毛などの体毛が生えてこない、陰毛腋毛が発生しない、男性器の発達が未熟で精巣が小さく女性器との違いがあまりない、といった特徴があります。

女性的発育

一般男性と比較すると、男性ホルモンの分泌量が非常に少なくなるため、どちらかというと女性的な場合が多いです。

幼い頃であれば周りの男の子と大きな違いはありませんが、二次性徴を迎える頃、その差が顕著になってきます。

その特徴としては、思春期に乳房が発達する人とそうでない人がいます。つまり、男の子にも関わらず、女の子のように乳房が膨らんでくるのです。しかし、この症状は、思春期を過ぎると収まる場合が多いです。

内気で無口であったり、繊細で気弱な性格、静かな遊びが好きといったような女性的でおとなしい性格であることが多いです。また思春期を迎えるのも遅れることが多いです。

二次性徴が遅れる、もしくはあまり無かったりなど、いわゆる身体の男性らしさが少ないことはありますが、そのことで性同一性障害を引き起こすということはありません。

性同一性障害は身体が男性でも心は女性、といった脳あるいは心の疾患であり、クラインフェルター症候群は染色体の数異常で起こる疾患なので、原因が異なります。

一般的にはクラインフェルター症候群では染色体数が正常な人と比べて発達障害を来たすことが多いことが分かっていますが、性同一性障害を起こす頻度はあまり変わらないとされています。

体の震え

頭を振ったり、ひらひらと手の平を振ることや、ぶるぶると震えたりといったような仕草が報告されています。染色体の核型でも、決まった型の症状のようです。

男性不妊

クラインフェルター症候群では、外性器・内性器は通常の男性形です。射精や通常の性行為は問題なくできますが、精液はほぼ透明であり、無臭に近く量も少ないなどの特徴があります。

また、性欲の低下もクラインフェルター症候群の特徴です。精子の数が極端に少ないため、不妊となる場合が多いです。自然な形での受精は、ほぼ100%の確率で不可能であるといわれています。

クラインフェルター症候群の男性(男児)に、赤ちゃんは望めないのか?

クラインフェルター症候群は、非閉塞性無精子症のひとつで、精巣が極端に小さくなりますが、非閉塞性無精子症のなかでは最も高率に精子または後期精子細胞が見つかる症例です。50~60%の方は、精巣内にわずかながら精子が発見されます。

また、男性不妊症に対する治療として「卵細胞質内精子注入法」が行われるようになってから、出産例の報告も出てきました。この方法により、精子量が極端に少ない場合や、精巣内精子を抽出した場合でも、妊娠可能となってきています。

バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの勃起改善薬を使用することも可能なので、不妊であるからといってすべてを諦めなくてはいけないわけではありません。

お母さんも、もし生まれてくる赤ちゃんがクラインフェルター症候群であったとしても、「その子の子供は見られないのではないか」と諦めないでください。まずは専門機関で相談し、前向きに取り組んでいくことが大切です。

クラインフェルター症候群に伴う合併症

クラインフェルター症候群の合併症は、主に男性ホルモンの欠乏によるものと、悪性腫瘍など先天的なリスクによるものがあります。普段の生活で注意して合併症を起こさないようにするのはなかなか難しくなります。

男性ホルモンが少ないため筋肉がつきにくいことは、筋力トレーニングである程度予防することができるかもしれませんが、基本的には病院で男性ホルモンの投与が必要となります。

また、悪性腫瘍の頻度も高いです。男性乳癌では、一般成人の20〜50倍の確率で発生する可能性があります。しかし、これについても毎日の生活に気をつけていれば起こらなくなるようなことではないため、やはり定期的な通院やチェックが大事です。

他にも、糖尿病、骨粗鬆症、自己免疫疾患、慢性肺疾患、静脈瘤、甲状腺機能低下症、大動脈縮窄症や僧帽弁逸脱、大動脈二尖弁などの心・血管系障害、馬蹄腎などの腎・腎血管系の奇形が認められることもあるので、赤ちゃんがクラインフェルター症候群であることがわかれば、早めに医師に相談し、信頼できる専門機関を見つけておくことが重要です。

クラインフェルター症候群かどうかは、どうやって調べる?

クラインフェルター症候群の検査方法は、血液などを採取して、遺伝子についての染色体検査を行います。細胞にある染色体を調べ、X染色体の数が通常よりも多い場合に診断をすることができます。

幼い頃に判明していなければ、ご本人では主に不妊治療の際に始めて気づくことが多く、この疾患の症状が現れるのは思春期が多いといわれているため、X染色体の数を染色体検査によって直接的に調べる機会がなければ、気づかないということも多いです。

ほとんど普通の子と変わり無い症状の染色体異常疾患もあります。

クラインフェルター症候群の治療法

クラインフェルター症候群に対する治療法には、確実な方法はありませんが、男性ホルモン補充療法という治療があります。

この疾患の男性は、男性ホルモンが減少して精巣の機能異常があるので、男性ホルモンのテストステロンを筋肉注射します。

これにより正常な男性に近い性腺機能を維持できます。また、この治療は、男性的体系や性格を形成するだけではなく、更年期障害などさまざまな障害や病気を防ぐためにも必要なことです。

ただし、このテストステロンを注射しても不妊の根本治療とはなりませんので、不妊については不妊症治療が必要となります。

このテストステロンですが、副作用は重篤なものは殆どありませんが、ナトリウムや体液が貯留する可能性があり、心臓や腎臓が悪い場合は慎重投与となっています。

また血球増加作用で赤血球増多症となることがあります。前立腺癌がある場合は投与できない(前立腺癌は男性ホルモンによって刺激され増殖します)ため、成人男性の場合は必ず定期的な前立腺癌のチェックが必要となります。

男性ホルモン補充療法を受ける前には、不明なことや質問があれば担当医師によく確認をしてから臨むのがベストです。

高齢出産で高まるクラインフェルター症候群

高齢出産のリスクとしてあげられる赤ちゃんの染色体異常である「クラインフェルター症候群」。

この疾患がどういう特徴があり、そして赤ちゃんが染色体異常のために障害を持って生まれると、お母さんにはどのようなフォローが必要になるのかお伝えしました。

しかし、それ以外に染色体異常はもっと恐ろしいことが起こるのです。もちろん染色体が正常であるのが一番良いことですが、染色体が一本多い場合は赤ちゃんの異常は軽く、生命力の強い受精卵の場合は普通の周期で出産に至ります。

ところが、染色体が一本足りないだけで、お腹の中の赤ちゃんは順調に育つことができず、妊娠初期に流産してしまうのです。

高齢出産ではこのような染色体の異常がたくさん起こる可能性があります。不妊治療を経てようやく授かった赤ちゃんかもしれませんし、自然妊娠だとしても、またすぐに妊娠するとは限りません。

せっかくの授かった赤ちゃんが、染色体異常によって流産してしまう可能性が高まるのです。染色体異常はどうしようもないことで、お母さんのせいではありません。その時には、ご自身を責めずどの様に向き合うかを前向きに考えていきましょう。

出生前診断を受けるかはよく相談して

赤ちゃんの染色体異常は、今回お伝えしたクラインフェルター症候群以外にも、まだ研究途中の染色体異常が存在します。

高齢出産では染色体異常の赤ちゃんを授かる可能性が高いため、出生前診断を受けるようにすすめる医師もいますが、出産前に心の準備として検査を受ける方もいれば、障害があっても無くても関係なく元気に赤ちゃんを産むことだけを考え検査を受けないお母さんも多くいらっしゃいます。

診断を受け、早期発見できれば赤ちゃんのためにも、親となるお母さんのためにもなりますが、陽性であった時には、やはり結果を受け入れるのに時間がかかることもあります。

現実を受け入れなければならない日はいつかやってきますが、その際には治療を含め、大変なこともたくさんあるでしょう。

検査を受ける場合には、その前によくご夫婦で話し合い、結果が出た後のこともご相談されておきましょう。生まれてくる赤ちゃんのために、知識をつけ出産に強い気持ちで臨んでいきましょう。

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