高齢出産でよく聞くクアトロ検査とは?検査と費用について

高齢出産でよく聞くクアトロ検査とは?検査と費用について

高齢出産の場合、出産についてのリスクが高まります。そのため、担当する医師によって考え方や対応もさまざまではありますが、出生前の赤ちゃんが異常を持っていないか、羊水検査や血液検査をすすめられることがあります。

現在では、出生前診断には色々な方法がありますが、その中の一つに「クアトロ検査(血清マーカー検査)」というものがあります。

このクアトロ検査は女性の血液を採取するだけなので、母体にリスクがなく、比較的受けやすい検査です。

色々な方法がある出生前検査の中でも、リスクがないことから最初に受けることの多い検査方法の一つです。

クアトロ検査は、確率が高いか低いかでしか判断できないため、より確実な判断をする場合は、次に羊水検査をすることになります。

年齢が若いうちの出産であれば不安も少ないかもしれませんが、高齢出産の場合にはどうしてもリスクや不安が付きものです。

特に染色体異常児を出産する確率は、母体年齢とともに上昇するため、高齢出産であれば、できるだけ不安は取り除いておきたいものです。

そこで今回は、

・クアトロ検査とはどんな検査?
・高齢出産の場合赤ちゃんに出やすい障害とは?
・高齢出産だけど検査を受けた方がいいの?

といった方に、出生前検査として受けられるクアトロ検査について詳しくご紹介します。

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クアトロ検査って何?

クアトロ検査とは、妊婦さんの血液中にある、胎児や胎盤から出てくる4つの成分を測定して、赤ちゃんの異常確率を調べる方法です。

胎児が、

①ダウン症候群(染色体異常)
②18トリソミー(染色体異常)
③開放性神経管奇形(二分脊椎、無脳症)

これらの障害がある確率を算出する「スクリーニングテスト」です。血液中の成分の値と、日本人の基準値、妊娠週数、体重、家族歴、インスリン依存性、糖尿病の有無を年齢と照らし合わせて、確率を算出します。

高齢出産の場合、赤ちゃんに障害が出やすい

妊婦さんの年齢が高くなるほど、ダウン症候群や18トリソミーの赤ちゃんが生まれる確率が高くなります。

これらの検査でわかるダウン症候群(染色体異常)の発生率も、やはり年齢によって増えていきます。20歳では1/500程度なのに対し、35歳では1/200程度、40歳で1/60、45歳では1/20の確率で発生しています。

ダウン症候群って何?

ダウン症候群という言葉は、恐らく芸能人の高齢出産の話題などで、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

テレビやインターネットのニュースでしばしば取り上げられるため「高齢出産=ダウン症候群」と思う方も少なくはありません。しかし、そうではなく「高齢出産になるとダウン症候群の確率が高まる」ということになります。

誰しもが避けられないのが、加齢に伴う卵子の損傷により、卵子が受精した受精卵は染色体異常が生じる可能性があるということです。

日本では新生児の約1000人に1人の割合でダウン症の子が生まれる確率となっています。体細胞の21番染色体が1本余分に存在し、計3本(トリソミー)持つことによって発症します。

25歳では1200人に1人、35歳では290人に1人というように年齢順に確率が高まりますが、約80%以上が35歳以下の母親から生まれてきます。

高齢出産が増えてるとはいっても、35歳以上の出産は数自体は少ないのです。年齢に関係なく誰からでも生まれる可能性があり、その確率をどう受け止めるかは、それぞれの妊婦さん次第になります。

ダウン症候群の赤ちゃんには、知的発達や運動能力の発達に遅れが見られます。心臓や内臓の病気と合併する可能性が高く、これらは治療で治すことができますが、合併症を早期に見つけ適切な治療を行うことが重要となってきます。

赤ちゃんの染色体異常はほとんど偶然的なものです。両親のどちらかに染色体異常のあるケースもありますが、どちらも予防はできないものです。

18トリソミーって何?

18トリソミーとは、第18番目の染色体に異常がある場合に生じる疾患です。

赤ちゃんがお腹にいるときから目立った発達の遅れがあり、精神遅滞、出生時の低身長、および多くの発育異常(重度の小頭、後頭部突出、耳介低位および変形、つまんだような特徴的顔貌など)が見受けられます。中でも、多くの場合に心臓に変化が見られます。

診断については,出生前では超音波検査か、クアトロ検査での異常所見から判断し、出生後では外観からの判断をします。

この障害を持って生まれる赤ちゃんの半数以上は、生後1週間以内に死亡し、生後1年まで生存する確率は10%未満と非常に低い数値です。

最近では治療することによって5~10歳までは生存できる場合もありますが、生存した場合も著明な発達の遅延と能力障害が見受けられることになります。

18トリソミーは出生児の1/6000の頻度で発生しますが、自然流産となることが多いです。この障害を持った赤ちゃんの95%以上は、完全な18トリソミーです。

異常が出る染色体は、ほぼ全ての場合において母親に由来します。母体年齢が高くなるにつれてそのリスクは増大していきます。女性:男性の比率は3:1くらいです。

開放性神経管奇形って何?

妊娠初期に形成される赤ちゃんの神経管が正常に形成されないために、赤ちゃんの脳や脊髄に障害が起きている状態です。つまり、脳が発達しない、脊髄が正常に形成されないなどの症状が出ます。

神経管は、赤ちゃんの頭蓋や脊髄を形成する管構造で妊娠初期に完成します。その後に、神経管は上下に閉鎖しますが、正常に閉鎖されなかった場合に、「開放性神経管奇形」と呼ばれる病気が起こります。

開放性神経管奇形には、二分脊椎や無脳症があげられます。神経管が正常に形成されない神経管奇形のほとんどが開放性なので、閉鎖性や軽症の神経管奇形の場合は、クアトロテストの対象にはなりません。

二分脊椎とは

脊髄が正常に形成されないことにより、下半身の神経麻痺(足が思うように動かせなかったり、尿などの排泄がコントロールできなかったりする状態)を生じる病気です。

早期の手術によって中枢神経の感染を防止することにより、正常な知的発達をとげることも可能です。

無脳症とは

通常は神経管と呼ばれる管の中に、脳と脊髄が発達しますが、頭蓋骨が正常に形成されないために脳が発達しない場合に無脳症となります。

二分脊椎に比べて重度の開放性神経管奇形で、出生後すぐまたは数日から数週間で亡くなります。

赤ちゃんがこのような障害を持っていないかどうかを出生前に調べる場合には、クアトロ検査を受けることになります。

クアトロ検査を受ける時期は?

クアトロ検査の検査可能時期は、妊娠15週0日から21週6日です。そこで確率が分数であらわされ、確率が高い場合は18週までに羊水検査を受ける、という流れとなります。

しかし、推奨されている時期は妊娠15週0日~17週6日になります。妊娠15週というのは、妊娠4ヶ月の終わりごろです。

ちなみに、妊娠15週未満では、この検査を受けることはできません。また、検査の結果が分かるまで、約10日~2週間ほどかかります。

ただし、クアトロ検査の結果を待ってから羊水検査を受ける場合は18週までとなりますので、受ける場合はなるべく早く検査をする必要があります。

クアトロ検査の方法

クアトロ検査の具体的な分析方法について見てみましょう。

クアトロ検査分析の流れ

クアトロ検査は、まず妊婦から少量の血液を採取し、血液中の4つの成分(アルファフェトプロテイン、ヒト絨毛ゴナドトロピン、エストリオール、インヒビンA)を測定(クアトロテストの場合)します。

これらは、妊娠中に胎児または胎盤で作られる成分です。これらの成分の値は、妊娠が進むにつれて増減しますが、胎児が検査の対象疾患であることによっても増減します。

次に、これら4つの成分の値と妊婦の年齢、そして日本人の基準値、体重、妊娠週数、家族歴、インスリン依存性、糖尿病の有無などの因子を用い、それぞれの病気の確率を算定します。

クアトロ検査は、母体年齢と固有の確率をもとに一人ひとりの確率を計算しているため、年齢の高い妊婦さんほど、クアトロテストの検査結果の確率が高くなる傾向があります

クアトロ検査はスクリーニング検査です。「スクリーニング」とは「振り分ける」という意味なので、この検査は、障害がある赤ちゃんなのかどうか、白黒をつける検査ではないということを頭にいれておきましょう。

つまり「確定診断」ではなく、テストの結果は100%ではないということです。クアトロ検査で高い確率の陽性判定が出たとしても、確定診断として羊水検査を受けなければいけないわけではないという点も覚えておきたいポイントです。

トリプルマーカーテストとクアトロマーカーテストの違い

出生前診断にはさまざまな種類がありますが、クアトロ検査(クアトロマーカーテスト)とは「母体血清マーカーテスト」の中の一つとなります。

母体血清マーカーテストとは、出生前検査の一つで、母体から採血した血液中の3つないしは4つの成分を測定して、胎児に染色体の異常がある確率を算出します。

母体血清マーカーテストには、「トリプルマーカーテスト」と「クアトロテスト」の二種類があります。

トリプルマーカーテストは、血液中の3種の物質の値を調べ、クアトロマーカーテストは、さらにもう一つ検査項目を足し、4種の物質の値を調べます。

そのため、クアトロマーカーテストの方が、トリプルマーカーテストより正確性が高い検査だといえます。

ちなみに、トリプルマーカーテストでは、

・アルファフェトプロテイン
・ヒト絨毛ゴナドトロピン
・エストリオール

この3つの成分について濃度を検査します。クアトロマーカーテストでは上記3つに加えて「インヒビンA」についても検査を行ないます。

トリプルマーカーテストとクアトロマーカーテストでは「ダウン症候群」の検出率のみ、クアトロマーカーテストの方が高くなっています。そのため「赤ちゃんがダウン症ではないのに陽性判定がでてしまう」確率は、トリプルマーカーテストより、クアトロマーカーテストのほうが低くなります。

クアトロ検査の費用は?

クアトロ検査を受けるには、約1万~3万円が目安です。比較的安価で受けられます。この費用は、病院によって違いはありますが、どの病院でも大体1万~3万円で受けられるので、金銭面での負担は軽い検査だといえます。

しかし、クアトロ検査は、どの病院や産院でも行なっているわけではないので、検査を希望する場合は、早めに医師に相談し、出生前診断を受けたいという意思を伝えましょう。

クアトロ検査を受けるメリットは?

クアトロ検査を受けるメリットは、

・検査は採血のみでリスクが少ない(検査による流産の危険はない)
・比較的費用が安い(1万~3万程度)
・赤ちゃんにも影響がない

ということが挙げられます。このように、身体面でも費用の面でも負担が少ない、というのが、この検査の最大のメリットです。

しかし、比較的手軽に受けることができる検査であるとはいえ、「心配だから、とりあえず受けておこう」というような、軽い気持ちで受けることのできる検査でもありません。

検査を受けて、万一「陽性」という判定が出た場合に「羊水検査を受ける」といった次のステップに進むのかどうかを考える必要があります。羊水検査にはリスクが発生してきます。

クアトロ検査はスクリーニングテストなので、その結果は決して確実なものではありませんが、もし本当に赤ちゃんに異常があった場合、それをはっきりさせるのかどうか、ご夫婦で考えなくてはなりません。

検査を受ける前には、そこまでの展開を考えておく必要があります。必ずしも良い結果が出るとは限りません。

どうしてこの検査を受けたいのか、ということを、家族や医師と十分に話し合い、メリットだけでなく、デメリットやリスクについても検討したうえで決定することが、大変重要です。

クアトロ検査を受けるデメリットは?

クアトロ検査のデメリットとリスクについてご紹介します。

高年齢の人(40代~)には向かない

この検査は、同年齢の人と比べてリスクが高いかどうかを判断します。40代以上のいわゆる高年齢の妊婦さんは、染色体異常の確率が高くなりますので、その年齢同士で比べてもあまり意味がありません。

確率を調べる検査なので、確定診断ではない

この検査だけで、赤ちゃんの異常がわかるわけではありません。あくまでも「赤ちゃんに染色体異常の可能性(確率)があるかどうか」を、陽性・陰性として結果を出すスクリーニング検査です。

最終的なことは次のステップに進む必要があります。

陽性・陰性が、結果とは正反対のことがある

判定は全く逆になることもあります。ですから検査の結果を100%信頼すべきではありません

クアトロ検査は母体へのリスクはありませんが、受けた後の結果次第で、大きな決断を迫られる可能性があります。これらの要素を十分考慮して、検査を受けるかどうか決定することが大切です。

検査を受ける前にはきちんと考えて結論を

もし検査を受けて、確率が低かったので安心して出産したら、赤ちゃんに障害があった、ということもないとはいえません。

逆に検査では異常が見つかったのに、障害は見受けられなかったということもあります。検査の結果を受けて、さらに不安が増すことも考えられますし、反対に気持ちがすっきりする方もいらっしゃいます。

検査を受けるメリットとデメリットをご夫婦でよく話し合い、その結果をしっかりと受け止める覚悟ができているのであれば、検査を受けることをおススメします。

高齢出産の女性が珍しくなくなってきたので、このような検査を受ける妊婦さんは増えてきています。出産への不安を少しでも軽くしたいという気持ちは皆さん同じです。

しかし、検査を受ける前に今一度、なぜこの検査を受けたいのかを考え、時間を取って検討してみてください。

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