高齢出産だけじゃない!妊娠中の糖尿病に要注意!原因と対処法
妊娠中にはさまざまなトラブルに注意が必要です。特に高齢出産の方の場合には、35歳未満の方と比較してみても、染色体異常や妊娠高血圧症候群などの症状が出やすくなるといわれています。
妊娠中のトラブルとして、誰にでも発症のリスクが伴う病気のひとつに、“糖尿病”があります。
数ある高齢出産のリスクの中でも、近年急増しているといわれる妊娠中の糖尿病とは、どのような病気なのでしょうか。
そこで今回は、
・妊娠中の糖尿病はどんな病気?
・妊娠中の糖尿病はどのような人がかかりやすいの?
・妊娠中の糖尿病を予防するには?
といった方に、妊娠中の糖尿病の主な原因や症状、さらに予防の方法などについて、詳しくご紹介します。
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この記事の目次
妊娠中の糖尿病ってどのような病気なの?
糖尿病という病名は耳にすることがよくありますが、妊娠にかかりやすい糖尿病とは、どのような病気なのでしょうか。
また、一般的によく聞く“糖尿病”とは、何がどのように違うものなのでしょうか。
糖尿病はもはや国民病ともいえる程、成人の中でも約850万人以上、また、糖尿病の可能性がある方が約680万人と推定されています。
高齢出産の方にとっても、決して他人事とはいえない病気です。さらに、妊娠中の糖尿病や糖代謝異常は、今では妊娠中の方の約8人に1人、という割合で発症しているともいわれている病気です。
糖尿病は自分ではなかなか気付くことが難しいともいわれ、合併症が発覚してから始めて糖尿病と分かることもある程です。
妊娠中の糖尿病には、どのようなものがあるの?
妊娠中に発症する糖尿病など糖代謝異常の中には、“妊娠糖尿病”と“妊娠時に診断された明らかな糖尿病”の2つが挙げられます。
その他にも、妊娠以前から糖尿病だった方が妊娠した場合の“糖尿病合併妊娠”があります。
2010年に改訂された“妊娠糖尿病”と“妊娠時に診断された明らかな糖尿病”における、日本産婦人科学会や日本糖尿病学会などによる「妊娠糖尿病の定義と診断基準」は、以下のとおりです。
妊娠糖尿病(GDM)は、妊娠中に初めて発見、または、発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常のことをいいます。
妊娠中の診断の結果、明らかに糖尿病である場合を除きます。ブドウ糖負荷試験である“75gOGTT”において、次の基準のうち1つ以上満たした場合に診断されるものです。
・空腹時血糖値≧/92㎎/dL(5.1mmol/L)
・1時間値≧180㎎/dL(10.0mmol/L)
・2時間値≧153㎎/dL(8.5mmol/L)
妊娠時に診断された明らかな糖尿病は、以下のいずれかを満たした場合に診断されます。
・空腹時血糖値≧92㎎/dL
・HbA1c(NGSP)≧6.5%
・確実な糖尿病網膜症がある場合
・随時血糖値≧200㎎/dL あるいは、75gOGTTで2時間値≧200㎎/dLの場合、いずれの場合も、空腹時血糖かHbA1cで確認します。
これらのように、妊娠をきっかけとして妊娠中に発症する、糖代謝異常によって起こる病気を、“妊娠糖尿病”もしくは、“妊娠時に診断された明らかな糖尿病”として、診断の基準もそれぞれ異なっています。
もちろん、軽度のものは糖尿病とは気付かずに、妊娠を継続させていることが多いものですが、体の不調などから、妊婦健診において発覚する方も多くなっています。
妊娠以前から糖尿病を発症している方と区別する意味からも、糖尿病の方が妊娠をした場合には、“糖尿病合併妊娠”と呼ばれています。
妊娠中の糖尿病で特に気をつけなければいけないのは、軽度な妊娠糖尿病では出産後に治ることも多いものですが、産後には本格的に糖尿病になってしまうこともあるということです。また、おなかの赤ちゃんへの影響や、お母さんの合併症なども心配です。
どうして妊娠中には糖尿病を発症しやすくなるの?
妊娠中に糖尿病になりやすくなる原因として、妊娠中には、血糖値が上がりやすくなることが大きな原因になっています。
妊娠中には女性ホルモンのバランスも、普段の時とは大きく異なってくるために、糖の代謝に変化が見られえるようになります。
妊娠中には、ブドウ糖をエネルギー源として、おなかの赤ちゃんは成長していますが、そのために、お母さんの身体も、ブドウ糖を優先的におなかの赤ちゃんに送ることができるように変化していきます。
また、食事を通して体内に入ったブドウ糖は、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンに作用し、体内に取り込まれるようになりますが、妊娠中にはホルモンの変化の影響で、インスリンの働きが抑えられていますので、血液中のブドウ糖が分解されにくくなることも分かっています。
現代社会では、食生活の欧米化や栄養過多のために、妊娠中の糖尿病を発症してしまうこともあります。
妊娠中の糖尿病は一般的な糖尿病とは異なり、膵臓からは正常にインスリンが分泌されるものの、妊娠中ならではの女性ホルモンのバランスの相違により、インスリンの本来あるべき働きを阻害してしまい、発症するものです。
一説によると、おなかに赤ちゃんがいることで、インスリンの働きを阻害してまでも、赤ちゃんへの栄養の供給を行っているという説もあります。
そのために、妊娠中に糖尿病にかかっていた方であっても、出産後には女性ホルモンのバランスも正常に戻りますので、それに伴い症状が改善される方がほとんどです。
妊娠中に“妊娠糖尿病”を発症した方は、比較的に軽度な場合が多いのですが、産後に糖尿病を発症してしまう割合も高くなっていますので、注意が必要です。
妊娠中の糖尿病は、どんな症状が出るの?
妊娠中の糖尿病の初期の場合には、自覚症状がなく、発症に気付かない方がほとんどといっても過言ではありません。
これは、一般的な糖尿病でも初期症状に気付きにくいのと同様になります。
しかし、糖尿病と同様に、体調の変化を自覚する頃には、病状も進行してしまっていることも多いので、できる限り早期の診断や改善が必要です。その他にも、
・妊娠高血圧症候群
・羊水過多
・何となく身体がだるく感じる
・急激な体重の増加
・のどが渇きやすく、トイレも近くなる
・糖尿病(2型)への移行
などの症状が見られることも多くなります。
妊娠中に糖尿病にかかった方は、妊娠中に見られる女性ホルモンのバランスの変化が主な原因になっていることも多いだけに、出産と共に症状が治ることも多いものですが、中には出産後にも糖尿病の症状に悩まされる“2型糖尿病”に移行してしまう方もいます。
どんな人が妊娠中に糖尿病になりやすいの?
妊娠は、女性の一生を考える上でも大きな体調の変化を迎えるものです。
女性ホルモンのバランスも変化し、さまざまな症状に悩まされることがあります。中でも妊娠中に糖尿病になりやすい人には、いくつかの要因があります。
特に、妊娠糖尿病になりやすい体質が遺伝している場合も想定できるため、家族に糖尿病の方がいる方は、妊娠前からの注意が必要になります。主な要因は、
・家族や親戚に糖尿病の人がいる
・妊娠高血圧症候群
・35歳以上の高齢出産の方
・肥満体形もしくは、妊娠中に急激な体重の増加があった方
などです。
妊娠中の糖尿病が赤ちゃんに及ぼす影響やリスクは?
妊娠中に糖尿病を発症した場合や、妊娠以前から糖尿病の罹患者の方の場合には、おなかの赤ちゃんへの影響も大きくなります。
糖尿病になると高血糖になるために、おなかの赤ちゃんが異常に大きく育ってしまう“巨大児”になる可能性が高くなります。
巨大児の場合には、難産や帝王切開になってしまうなどのリスクもあります。そのために、妊娠中の血糖管理が重要なポイントになります。
主なリスクは、
・早産や流産
・胎児発育不全
・巨大児
・奇形
・新生児低血糖や心筋症
・呼吸困難
などです。また、誕生後の赤ちゃんは“糖尿病母体児”として、産後の合併症などの発症など、その後の成長を監視されることもあります。
また、お母さんご自身には、
・網膜症
・神経障害
・妊娠高血圧症候群や羊水過多などの合併症の発症
などがあげられます。
参考記事>>高齢出産だと巨大児が生まれてくる可能性が高くなるの??
妊娠中の糖尿病の検査の方法
妊婦健診では、体重測定や血液検査、超音波検査など、月齢に応じたさまざまな検査を行っていますが、糖尿病の発見に関する検査も行っています。
血糖値を計測し、糖尿病の疑いがある場合には、75g経口糖負荷試験(OGTT)を行い、糖分摂取後の血糖値の変化を検査します。
妊娠初期の男系で血糖値が正常値であっても、妊娠が進むにつれてインスリンの機能が低下し、妊娠糖尿病を発症することもありますので、適宜検査を行ない、注意をしておく必要があります。
OGTT検査の結果、
・空腹時血糖値≧92㎎/dL
・1時間値≧180㎎/dL
・2時間値≧153㎎/dL
に1つでもかかった場合には、妊娠糖尿病と診断されます。
治療の方法は?また、妊娠中に気を付けたほうが良いことは?
妊娠中の糖尿病発症の予防のためには、健常妊婦の日内変動範囲内の血糖値を一定の基準値内に保つことが大切です。
基準値は、
・空腹時血糖値70~100㎎/dL
・食後2時間以内血糖値120㎎/dL未満
になります。
また、妊娠中に糖尿病が発症した方は、糖分の摂りすぎに注意し、血糖値を正常にするための食事療法と、運動療法を行うことで、健康への管理をしていきます。
・バランスの良い食事と共に、糖分を減らすことを心掛ける(果物も果糖が多いので注意)
・1日の摂取カロリーを制限する
・ごはんや穀物などの糖化しやすい炭水化物を控える
・適度な運動を習慣化する
・食事や運動での改善が見られない場合には、インスリンの投与を行ない、血糖値をコントロールする
妊娠中の食事療法や運動療法が大切
妊娠中の食事のカロリーとしては、標準体重である[身長(m)×身長(m)×22]×30kcal に、妊娠初期は50kcal、妊娠中期は250kcal、妊娠後期450kcal、授乳期350kcalを加算したカロリーに抑え、妊娠時の急激な体重の増加を予防することが必要です。
食事療法や運動療法などでも改善が見られない場合には、妊娠中には経口血糖降下薬の使用はできないので、インスリン療法などが行われる場合もあります。
その他に、妊娠糖尿病になった方は、次の妊娠の際にもまた妊娠糖尿病を発症してしまうことが多く、症状を繰り返してしまう割合が高まります。
その上、妊娠糖尿病を発症した方の約半数の方は、真性糖尿病になってしまうリスクが高まるとの報告もありますので、定期的な検査などでチェックしておくことも必要です。
妊娠中の糖尿病は、特に自覚症状がほとんど感じられないことも多く、また、感じる方であっても、妊娠に伴う症状に似ていることから、発見が遅れることもあります。
できるだけ早期発見、早期治療を心掛けたいものです。さらに、予防するためには、普段から規則正しい生活や、バランスの良い食生活を心掛け、適度な運動を習慣付けることも必要です。
参考記事
>>運動をして高齢出産のリスクを抑えよう!高齢出産の体づくり
できることでしたら、妊娠以前から血糖値のコントロールをしっかりと行っておくと安心です。
妊娠以前から糖尿病の方が注意することは?
もともと糖尿病の持病をお持ちの方は、妊娠や出産に対して特段の不安などをお感じになることでしょう。
妊娠や出産を望まれるのであれば、事前に血糖値をしっかりとコントロールし、合併症の危険が少ないように、主治医の指導の下で、計画的な妊娠をされることがおすすめです。
また、カロリーを考慮した上でのバランスの良い食事を心掛け、規則正しい生活を送るようにしましょう。
糖尿病の方が妊娠することで、合併症などが悪化してしまうことも多くなります。網膜症などをお持ちの方は、定期的に専門医の診断を受けるようにしましょう。
さらに、空腹時の血糖値だけではなく、食後の血糖値も抑えることが必要になってきますので、食後の血糖値を適正に保つためにも、1日の総カロリーの配分に注意し、1回の食事量を減らして、食事の回数を増やしてみるなどの工夫も、効果的になることも多くなります。
併せて、適度な運動は、急激な体重の増加の予防の観点からも実行しましょう。
妊娠糖尿病と診断されてしまったら
妊娠中に妊娠糖尿病と診断された場合でも、一番大切なことは、お母さんご自身の健康と共に、何よりもおなかの赤ちゃんの健やかな成長と無事に出産することです。
主治医の指示に従い、適切な検査とそれに伴う治療を行いましょう。また、日常生活においては、
・カロリーの摂取量を調整する
・塩分を控えめにする
・野菜を中心にした食事を心掛け、バランスの良い食事を摂る
・生活習慣に気を付ける
などに気を配るようにしましょう。食事面では、一日の食事量をそのままにして、回数を分けて多くすることで、急激な血糖値の上昇を予防することも効果的です。
また、安定期になったら、ウォーキングなどの適度な運動を行い、急激な体重の増加を防ぐことが大切です。
産後にはホルモンのバランスが戻ると共に、糖尿病に移行している場合もありますので、産後にも血糖値の検査などを定期的に行い、注意しておくことも必要です。
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