喫煙は高齢出産のリスクUP?!タバコの悪影響について知ろう
タバコは一般的な成人の趣向品であり、禁煙社会の傾向にある昨今でも、好んで喫煙している方はたくさんいます。
もちろん違法なわけでもなく、禁煙や喫煙の選択は個人の自由ではありますが、高齢出産を考える女性にとってタバコの喫煙は、出産リスクをとても高めてしまうのをご存知でしょうか。
もちろんタバコは体にあまり良くない、妊娠中は吸わない方が良いといった知識をお持ちの方は多いかもしれませんが、想像以上に高齢出産を考える女性にとって、タバコの喫煙は悪影響を与えてしまいます。
そこで今回は、
・妊娠前でも喫煙していると悪影響があるの?
・喫煙による赤ちゃんへの影響とは?
・喫煙していなくても気を付けないことがあるの?
といった方に、高齢出産における妊娠前から妊娠中まで、タバコの喫煙が与える影響について詳しくご説明します。
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この記事の目次
タバコが妊娠前に与える悪影響は?
妊娠中のタバコの悪影響については多少ご存知の方も多いかもしれませんが、実は妊娠前であってもタバコの喫煙をしていると妊娠や出産に影響してしまう可能性があります。
もちろん個人差はありますし、元々持っている妊娠力や喫煙歴の長さや、1日に吸う本数などによっても異なりますが、女性が喫煙をすることは「卵子の老化」を加速させてしまい、不妊の原因になってしまいます。
個人差が大きい部分があるので、具体的にどれくらいの老化かを示すことは難しいですが、おおよその目安として喫煙をしている女性は、非喫煙者の女性と比べてみると5年分程卵子が老化しているといわれています。
単純に「5年」と聞くとそれほど影響はないのではと考えるかもしれませんが、出産を望む女性にとっての卵子の5年の老化は大変大きな問題です。
もちろん20代で出産に挑む場合、は5年程卵子が老化していたとしても、そこまでの影響はないかもしれませんが、高齢出産の場合は同じようにはいきません。
本来喫煙を抜きに考えても、高齢での妊娠や出産は妊娠の可能性が低下しがちになったり、リスクを抱えがちです。
そこにプラスして卵子の老化が加わってしまうと、与える影響がどれくらいのものなのかはなんとなくおわかりいただけるのではないでしょうか。
基本的に35歳以降での出産を高齢出産といいますが、そこに5年がプラスされるわけですから、35歳なら40歳、40歳なら45歳で妊娠や出産を迎えるのと同じ扱いになるわけですからその影響は大きなものです。
過度の喫煙は、高齢出産に対するリスクを高めるだけではなく、不妊にも大きな影響を与えてしまうため、高齢出産を希望する女性にとってタバコの喫煙は好ましくありません。
もちろん、妊娠や出産を抜きに考えたとしても、残念ながらタバコを喫煙することによって得られるメリットは、デメリットやリスクに比べると極々わずかなため、おすすめできません。
タバコが妊婦さんに与える悪影響は?
当然ですが、タバコの喫煙は妊娠中に関係なく、体に悪い影響力をもたらしたり、体力がなくなったりと悪い影響を及ぼしてしまいます。そしてお腹の中の胎児にも悪影響を与えてしまいます。
タバコの中には数多くの有害物質が含まれており、血管を収縮させてしまったり血液の流れを悪くしてしまいます。
血液の循環を悪くしてしまうということは、栄養を体の各器官に上手く運びきれず、身体機能の低下に繋がります。
そして身体機能が低下し、血液の循環が悪くなると、お腹の中の胎児の発育低下にも繋がります。
あまりにも発育に影響を与えてしまうと、せっかく妊娠できていたとしても流産してしまう可能性が上がったり、なんとか無事出産できたとしてもなんらかの悪影響を与えてしまっている場合があります。
リスクの高い妊娠の可能性
タバコの喫煙による影響はさまざまで、ハイリスクな妊娠となってしまう可能性もあります。
流産の可能性
自然流産と呼ばれるものの多くの原因は、胎児の「染色体異常」であり、この染色体異常が流産や生まれたとしても障害などをもって産まれてくるリスクを高めています。
タバコに含まれている有害物質のドラジン・ベンゾピレンなどは、この染色体異常を起こしてしまう可能性が高く、喫煙者の発症率は非喫煙者の1.5倍といわれています。
さらに一日にタバコを15本以上吸う女性の場合その確率は約2倍ともいわれています。
子宮外妊娠
名前の通りで子宮内膣以外の場所に、受精卵が着床してしまう可能性があります。
一応経過を見る治療法の「待機療法」や「手術」「薬物療法」などがありますが、残念ながら現段階の医学において子宮外妊娠をしてしまった場合の胎児を助けてあげられる確率はとても低いものです。
前置胎盤
胎盤が正常よりも低い位置に付着してしまい、子宮の出口を覆ってしまう状態で、前置胎盤の場合、自然分娩ができず100%帝王切開での分娩となってしまいます。
喫煙者の発症率は、非喫煙者の1.5倍といわれており、大量出血などで母子共に危険な状態になってしまう可能性があります。
常位胎盤早期剥離
妊娠している時に、胎児の娩出により正常位置に付着していた胎盤が先に剥がれてしまう状態のことをいいます。
これはとても危険で重篤な疾患で、喫煙者の発症率は非喫煙者の1.4~1.9倍とされており、胎児の仮死や死亡、子宮の摘出や母体の命の危険などがあり非常に危ない状態です。
早産のリスク
妊娠37週未満での出産を早産と呼ぶのですが、喫煙者の早産確率は非喫煙者の1.4~1.5倍といわれており、切迫早産や前期破水、絨毛羊膜炎などを引き起こすことによって早産になってしまいます。
さらに1日に吸うタバコの本数が多ければ多いほどその確率は高くなり、非喫煙者の早産確率が6%なのに対して1日10本程度吸う人は11%、20本程度吸う人は13%と上がっていき、30本以上吸うヘビースモーカーの場合は33%もの確率で早産となってしまいます。
死産のリスク
妊娠28週以降の死産~生後1週間未満の早期新生児死亡の確率が喫煙者の場合だと非喫煙者の1.2~1.4倍の確率といわれています。
参考記事>>死産の原因は?兆候はある?高齢出産と死産について考えよう
タバコが胎児に与える悪影響は?
タバコが母体や胎児に良くない影響を与えることがわかりましたが、実際どんな危険があるのかを詳しく説明していきます。
タバコの有害物質が与える影響
タバコから出る煙には、200種類以上のニコチン、一酸化炭素、タールなどをはじめとする有害物質が含まれています。これらの有害物質は胎盤や胎児にさまざまな悪影響を及ぼすことがわかっています。
酸素不足
有害物質の中の一酸化炭素は、酸素を運んでくれるヘモグロビンと結合しやすい性質をもっているため、酸素の運搬機能が低下してしまいます。
そのため胎盤が正常に機能しづらくなり、胎児が慢性的な酸欠状態になってしまう場合があるのです。
このような状態になってしまうとひどい場合は流産してしまったり、早産、発育障害などを起こしてしまうリスクも高くなってしまいます。
そしてこのリスクは非喫煙者と比べると数倍の差があると知られています。
血行不良
有害物質の中のニコチンは、胎盤の血管や子宮を収縮させてしまうため血流が減少してしまいます。
血流の循環が滞ることで胎盤の機能が低下していき、胎児への血流をもさまたげてしまいます。
無脳症
お腹の中で後頭部の脳幹までは成長するのですが、脳半球が形成されず、お腹の中でしか生きていられないという病気の無脳症になってしまう可能性が、喫煙者の場合では非喫煙者より高い頻度で上がるとされています。
無脳症になってしまった場合は残念ながら100%死産してしまいます。
ダウン症
有名なダウン症ですがこれもタバコを吸うことによってリスクが高まってしまうとされています。
ダウン症候群は、体細胞の中の21番染色体が本来の数より1本多い3本存在することによって発症する先天性の疾患群です。
喫煙者の場合では非喫煙者の3倍の確率で発症してしまうとされています。
参考記事>>知っておきたい!!高齢出産における奇形の可能性や心構え
タバコが与える子どもが成長してからあらわれる悪影響は?
タバコを喫煙することによる影響は、妊娠や出産までの間にあらわれていなかったとしても、子どもが成長してからあらわれる場合もあります。
実際に調べたところ、非喫煙の女性に比べて、日常的に喫煙をしている女性から生まれた子どもの統計を見ると、身長の低下や学力の低下などが確認されています。
これは、お腹の中にいる時に喫煙による身体機能の低下や、血液の循環不足によって胎児が成長不足なまま産まれてしまっていることが原因と考えられています。
また、喫煙者の母親の母乳には有害物質が混ざってしまっていて、授乳の際に赤ちゃんの体の中にも有害物質が紛れてしまうことも、発育を阻害してしまっている要因のひとつと考えれています。
そのため妊娠や出産関係なくタバコの喫煙は胎児や赤ちゃんにさまざまな悪影響を与えてしまうため注意が必要です。
タバコを自分で吸っていなくても注意が必要?
もちろん、自分自身で喫煙していないからといって油断は禁物です。
メディアなどでも多く取り上げられたり、問題になっていたためご存知かもしれませんが、自分がタバコを吸っていなくても、周りでタバコを喫煙している人がいると「副流煙」の影響を受けてしまう場合があります。
そのため、家族や職場などに喫煙者がいる場合には、自分でも気付かないうちにタバコの影響を受けてしまう場合があるのです。
タバコを吸っているよりはましだろうと思うかもしれませんが、この副流煙はとてもやっかいで、自分自身が喫煙するよりも、副流煙を吸い込むほうが、数倍の有害物質を体に取り入れてしまうのです。
そのため、もしもパートナーや周りの人が喫煙者の場合は、近くで吸わないようにしてもらったり、でかけた際もできるだけ分煙されているお店のみに入るなどを意識しましょう。
タバコを吸っていても赤ちゃんが健康な場合もある?
タバコを喫煙している場合や、副流煙に対する悪影響について説明させていただきましたが、もちろんタバコを吸っていたとしても、悪影響を受けることなく正常に赤ちゃんが生まれてきてくれることもたくさんあります。
高齢での出産や、喫煙者の出産は、確かにリスクが高まるのは事実ではありますが、数字だけで見れば赤ちゃんがなんらかの異常を持って産まれてくる確率はわずかなものです。
ですが高齢出産、タバコの喫煙など、ひとつひとつの影響力は少しでも、悪影響や不安要素が重なってしまうと、積み重なったリスクは万が一の自体を起こしかねないですし、タバコを吸っていなければ救えていた命が存在するのも事実です。
一概に全ての高齢出産を希望する女性の喫煙が危険であるとはいいきれませんが、不安要素を減らせるにこしたことはありません。きちんとリスクと向き合って判断することが重要です。
妊娠してからの禁煙でも間に合う?
日常的にタバコを吸っていた女性の卵子の老化や、体力の低下などは補いきれない部分もありますが、妊娠前や妊娠が発覚してすぐに禁煙をした場合、子どもの出生体重は非喫煙の妊婦とあまり変わらないレベルになるといわれています。
そして妊娠初期の段階でも吸ってしまっていたとしても、妊娠3~4ヶ月までに禁煙をすることをできた場合には、出産リスクが減少するといった結果がでていますので、手遅れだど思わずに、喫煙していたとしても妊娠が発覚したらできるだけ早い段階で禁煙するのが理想です。
最後に
今回は、高齢出産におけるタバコの悪影響やそのリスクについてお話させていただきました。
既に日頃から喫煙をしている方が、いきなり禁煙をするのはとても難しいかもしれません。
ですが高齢出産において、喫煙の悪影響やリスクは想像以上のものであるというのは理解しておく必要があります。
もちろん喫煙は精神的な安定を与えてくれている場合もありますし、全てを悪とはいえませんが、できれば妊娠中などは少しでも控えましょう。
まずは本数を減らしてみる、煙を肺までいれず”ふかし”のみで我慢する、ルールを決めてたまにだけ吸うなど、できる範囲の努力をしてみるのも大事です。
しかし妊娠を望んでいたり、妊娠中の生活を送る中で、過剰に禁煙や副流煙を気にしすぎて神経質になってしまったり、ストレスを溜めすぎてしまっては更なる悪影響を与えてしまいます。
ですから、まずはタバコの悪影響やリスクについてをしっかり理解したうえで、自分で無理のない範囲で禁煙したり、副流煙を吸わない生活を心がけてみてください。
少し意識して生活するだけでも、きっと結果は変わるはずです。そして少しでも万全な体調やコンディションで安全な妊娠や出産に挑んでください。
健康的でゆとりある生活はあなたにたくさんの良い影響をもたらしてくれるはずです。
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