高齢出産、男性の理解と協力の重要性!男性側の問題を知ろう
高齢出産に対する男性の理解と協力は必要不可欠です。妊娠、出産するのは女性ですが、男性は何もしなくていいのかというと、そうではありません。
男性側の問題でなかなか授かることができなかったり、男性もマタニティブルーのような状況になることもあるのです。
そこで今回は、
・男性側による不妊の原因を知りたい
・高齢パパができる妊活とは?
・高齢出産で男性が知っておくべきこととは?
といった方に、あなたの大事な女性が新しい命を授かりたいと思ったときに、男性は何をするべきか、何を知っておくべきかをまとめました。
女性だけでなく男性にも目を通してもらいたいと思います。
この記事の目次
不妊の原因の4割は男性
意外に知られていないのですが、実は不妊の原因には男性も大きく関わっています。
2010年にWHO(世界保健機関)が発表した資料によると、女性のみに原因がある不妊は41%、男性のみに原因がある不妊は24%、男女ともに原因がある不妊は24%、原因不明が11%となっています。
つまり、男性のみに原因がある割合と男女ともに原因がある割合と合わせると、不妊に悩んでいる夫婦の約半分は男性にも不妊の原因があると考えられるのです。
男性不妊の原因で一番多いのが「造精機能障害」で、何らかの異常により精子を作る機能に問題があるケースです。
精液中の精子の数が少ない(精子減少症)や、精子がまったく造られない(無精子症)、精子に授精する能力がない又は死んでいる(精子死滅症)などがあります。
その他の原因として、精子が通る道が生まれつき狭かったり、炎症がおきて詰まったり狭くなったりして精子が射出しにくくなる「精路通過障害」もあります。
また最近では、性欲の低下や勃起障害から、性行為ができない、射精できないといった「性行為障害」も増えています。
男性も35歳を過ぎると妊娠率が下がるという事実
男性の精子は、精巣で毎日新しく作られるから老化の心配はない、高齢パパでも大丈夫と安心するわけにはいきません。精子に老化はなくとも、精子を造る元の精巣そのものは老化するからです。
年齢を重ねるにつれて少しずつ精巣の大きさは小さくなり、機能も低下します。人によって違いはあるものの、明らかに男性ホルモンを作る力も低下していくのです。
つまり男性は、射精できる限り子どもが作れるというのは間違いで、男性も35歳を過ぎたころから妊娠率が下がってくるということです。
すでに子どもがいるお父さんはそうでもないのですが、まだ子どもがいない男性は特に子どもができにくくなるというデータもあります。
男女ともに35歳以上であればさらに妊娠する確率は減ってきますので、ご夫婦でしっかり話し合って早目に方針を決めることが必要です。
高齢パパは自分の「妊娠させる力」を調べよう
高齢出産の場合、女性はあらかじめ妊娠できる身体かどうかを検査することがあります。ところが、女性の不妊検査は痛みや苦痛を伴うものが多いのです。
その一方で、男性の検査は精液を調べるため痛みがありません。ですから不妊の検査は、まず痛みを伴わない男性が先に受けて欲しいと思います。
男性の検査には「精液検査」と「精子機能検査」あり、精液検査は精子の濃度や数や動き方などを調べます。物質としての精子を調べるわけですから、妊娠させる力である「妊孕力(にんようりょく)」まではわかりません。
精子機能検査では精子の質を調べます。精子が卵子の中に侵入するための力を持っているかどうか、妊娠させる力、つまり妊孕力があるかどうかを調べることができます。
男性不妊に関しては泌尿器科が専門ですが、近頃では不妊治療施設などで専門的な診療や検査が受けられます。精液機能検査を受けることで、その後の方向性も大きく違ってきます。治療をするにも安心のためにも、早目に受けて欲しい検査です。
高齢パパの「妊娠させる力」を高めてくれる栄養素たち
妊活中は、女性だけでなく男性も栄養に気を配ってほしいものです。昼間はほとんど外食という男性も、摂っておくべき栄養素や食品を知ってメニューを選ぶ時の参考にしてください。
元気な精子を作る「葉酸」
精子の細胞分裂を促して正常で元気な精子を作ります。そのため、染色体異常の精子を減少させる効果があります。
鶏レバー・大豆製品・ブロッコリー・キャベツ・小松菜・イチゴなど含まれていますが、必要量を食事だけで摂るのは難しいので、サプリメントを併用するのがおススメです。
男性ホルモンを活発にする「ビタミンE」
男性ホルモンの生成や分泌を活発にしてくれる大切な栄養素です。
アーモンドなどのナッツ類・あんこうの肝・からすみ・かぼちゃ・ごま油などの植物油・アボカドなどに含まれています。疲れた時にチョコレートをつまむなら、アーモンドチョコがオススメです。
精子の運動率をアップする「ビタミンC」
精子の生成を促して、精子の運動率もアップしてくれます。
パプリカ(赤・黄)・キウイフルーツ・パセリ・ブロッコリー・柿などに多く含まれています。ビタミンCは一度にたくさんの量を体内に留めておくことはできませんので、食後のデザートなどで数回に分けて食べるのがいいでしょう。
大腸がんのリスクも下げる「カルシウム」
精子の運動率を高めるとともに、大腸がんのリスクも軽減してくれます。
ヨーグルト・チーズ・海藻類・にぼしなどの小魚・緑黄色野菜・ゴマ・切り干し大根などに多く含まれています。カルシウムは摂取しすぎても問題なので、1日の摂取量の目安600mgを意識してください。
もっとも吸収率のいい牛乳はコップ1杯が約230mgです。
精子の質を高める「亜鉛」
精子の質を高める働きがあります。精子の運動率が上がるだけでなく、精力が増強されてED(勃起不全)などの性機能障害にも効果アリです。
亜鉛が含まれている食品は牡蠣・牛肉・レバー・納豆・アーモンドなどですが、コンビーフやビーフジャーキーなどの加工肉にも多く含まれていますので、ビールのおつまみにぜひどうぞ。
妊娠させる力を高める「鉄」
精子の形成を助ける働きを持っており、妊娠する可能性を高めるともいわれています。
妊活中の男性は積極的に摂ってほしい栄養素です。レバー・あさり・ほうれん草・小松菜・ひじきなどに多く含まれています。
精子を増やす「セレン(セレニウム)」
精子の数を増やすとされている大事な栄養素です。がんの予防や更年期障害の改善にも効果が期待されています。
1日の摂取量の目安は男性で30~300ug、女性は25~220ugです。ただし摂り過ぎると精子の動きが抑制されますので注意が必要です。干しえび・まぐろ・ウニ・あんこう肝・卵などに含まれています。
精子を元気にする「ミネラルES46」
ミトコンドリアに働きかけて精巣を活性化させ、精子を元気にして正常な数に戻してくれます。
ミネラルES46は食品からではなくサプリメントとして摂取しますので、用法と用量を守って使用してください。
男性不妊に効く「ムチン」
男性不妊の漢方薬にも使われているムチンは、精のつく食べ物として昔から知られています。
精子を作るアミノ酸やタンパク質の吸収を高め、疲労回復や血液をサラサラにする効果もあります。納豆・山芋・オクラ・なめこ・昆布などのヌルヌル食材に多く含まれています。
妊娠する前にやっておきたい風しん対策
「風しんワクチン」は妊娠する前に必ずご夫婦で受けてください。もし妊娠中のお母さんが風しんにかかったら、赤ちゃんが耳や目や心臓などに障害が出る「先天性風しん症候群」になってしまう可能性があるからです。
この先天性風しん症候群には治療薬がありませんので、まず風しんワクチンを受けて予防しなければなりません。
小さい頃に一度かかったからと思っていても、実は「麻しん(はしか)」だったということもあります。過去にワクチンを受けた人も抗体が減少しているかもしれません。
子どもの頃に風しんにかかったかどうか、風しんワクチンを受けたことがあるかどうか、はっきり覚えていない人がほとんどではないでしょうか。
ちなみに昭和37年~平成2年生まれの男性はとくに風しんワクチンの接種率が低く、免疫がない人が多いとされています。
風しんは感染力が高いため、万が一にもお腹に赤ちゃんがいるお母さんにうつしてしまわないよう、まわりの人も風しん対策をしてください。
抗体検査は病院で簡単にできますので、旦那さまだけでなくぜひご夫婦で受けてください。風しんの予防接種をする際には、麻しん(はしか)予防と一緒になった「麻しん風しん混合ワクチン」を受けるほうが安心です。また、おたふく風邪や水ぼうそうの予納接種もしておけばさらに不安がなくなります。
男性の飲酒は不妊の原因になる?
妊活中の女性の飲酒はNGですが、男性の場合は飲酒が原因で精子の数が減るなどの問題はないと考えられています。
とはいえ毎日たくさんのアルコールを飲んでいると、奇形精子が増加したりED(勃起不全)になったりとあまり良いことはありません。とくに高齢パパは普段から適度な飲酒を心がけた方がいいでしょう。
女性は妊活中も妊娠中も授乳中も、と長い期間にわたって禁酒しなければならないのですから、男性のみなさんもぜひ協力してあげてください。
最近ではノンアルコールの飲み物も出回っていますので、禁酒がストレスにならないようたまには夫婦で軽く晩酌というのもいいかもしれません。
男性の喫煙が与える影響
男性の飲酒は適度なら問題はありませんが、喫煙に関してはNGと言わざるを得ないでしょう。
まずタバコのニコチンは血管を収縮させてしまうため、血流が悪くなり勃起障害を引き起こす可能性があります。
また、タバコの煙は活性酸素を含んでいるので身体が酸化ストレスを受けて精巣にも影響を与えます。影響を受けた精巣から作られた精子は質が悪くなってしまい、妊娠しにくくなるのです。
そして同じ部屋で旦那さまが吸っているタバコの悪影響は、妊娠したお母さんにもお腹の赤ちゃんにも及びます。受動喫煙は、吸っている本人と同じかそれ以上のリスクを与えるとの報告もあります。
できれば早目に禁煙してほしいところですが、なかなか難しいというのが実情のようです。やめたいけどやめられないという人は、禁煙外来を利用してみてはいかがでしょう。
男性にもおこる「産後うつ(パタニティーブルー)」
「パタニティーブルー」という言葉があるのをご存知でしょうか。女性が出産後に産後うつ又はマタニティーブルーになる可能性があることは知られていますが、その男性バージョンが「パタニティー(父性)ブルー」なのです。ではなぜパタニティーブルーになるのか、その理由はいくつかあるようです。
一つには生活の大きな変化です。待ちに待った待望の赤ちゃんとはいえ、女性のように長いあいだお腹の中にいたわけではないので、日増しに父性が芽生えるというよりある日突然お父さんになるのです。
そしてその日から、今までの生活とは全く違った子ども中心の生活が始まります。頭ではわかっていても気持ちが伴わず、あまりの生活の変化に戸惑ってしまうお父さんが多いようです。
また、お母さんが赤ちゃんにかかりきりで夫婦の時間がなくなり、寂しい思いをしているお父さんも多くいます。
しかしお父さんが率先して赤ちゃんの世話をしてくれれば、お母さんの負担も減り夫婦の時間も作れそうなものですね。
赤ちゃんの面倒をみてくれてお母さんのことも気遣ってくれる、優しくて頼もしいお父さんだと見直してもらえるのではないでしょうか。
逆に、子育てに積極的に参加しているお父さんの中には、育児と仕事のバランスに悩んでいる人もいます。
仕事を優先すれば可愛い子どもと接する時間が減り、育児休暇などを利用して子育てを優先すればキャリアに響くことになるかもしれない、今の日本ではまだまだ難しい問題だといえます。
高齢パパともなれば責任のある地位についている人も多いでしょうからなおさらですね。
そして、一家の大黒柱としてのプレッシャーもあります。それまでは夫婦という括りでしたが、子どもができれば家族となり、精神面でも経済面でも負担が大きくなるためです。
父親になったのだから家族を守っていかなければという、真面目で優しい気持ちがパタニティーブルーを引き起こしているのかもしれません。
男性がパタニティーブルーにならないために
女性の産後うつの原因はさまざまですが、パタニティーブルーになる原因には精神面が大きいようです。では、パタニティーブルーにならないためには何に気をつければいいでしょう。
一番大事なのは夫婦のコミュニケーションです。1日にたとえ10分でも夫婦二人だけの時間を作るようにしましょう。たまには「奥さん」に戻って旦那さまとの会話を楽しむことも必要です。
やってほしい事があればわかりやすく伝えて、やってもらったら「ありがとう」を忘れないようにしてください。
はじめのうちはお母さんと同じようにはできないでしょうが、感謝の気持ちをもっていれば嫌がらずにやってくれますし、一緒に子育てをしているという実感もわいてくると思います。
高齢出産の場合はお父さんもお母さんも人生経験が豊富で穏やかな人が多いので、お互いがいつも笑顔でいればたいていのことは乗り切れることでしょう。信頼できるパートナーと一緒に子育てライフを楽しんでください。
高齢出産NAVI一押し!産前産後の栄養補強はこれ!
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